2025/02/15号 キシリトール

  • ドライマウスキシリトールといえば誰もが知っている、ガムやタブレットなどに配合されているむし歯予防効果の高い甘味料ですが、キシリトールがなぜ歯によいのか、どんな効果があるのかご存知でしょうか? 
    特にむし歯リスクの高い(口中の細菌数が多い人、唾液量が少ない)人にはおすすめです。

    キシリトールを生活に上手に取り入れて、虫歯になりにくい口腔環境を目指しましょう!

  • キシリトールってなに?

    キシリトールは白樺や樫などに含まれる天然素材の甘味料で、砂糖と同程度の甘さを持ち、カロリーは砂糖の75%!溶ける時に熱を吸収するので、口の中で清涼感が得られるのも特徴のひとつです。
    白樺や樫などの樹木から取れるキシランヘミセルロースを還元して製造されています。

    ◎『糖アルコール』の仲間 ◎

    キシリトールは砂糖と違ってむし歯菌のエサとならない、糖アルコールの一種です。キシリトールの他に、ソルビトール、エリスリトール、マルチトールなどがあります。
    糖アルコールは麦芽糖やブドウ糖などの糖類を還元することで作られ、次のような特徴があります。

     ・むし歯の原因となる酸が作られない
     ・消化吸収されにくいので、砂糖より低カロリー
     ・血糖値を急激に上昇させないため、糖尿病の人にも安心

  • キシリトールだけがもつ効果

    キシリトールのバリアキシリトールには長期間(1日3回3ヶ月以上)継続して摂取することで、他の糖アルコールにはない特別な効果をもたらします。

     ・ミュータンス菌の活動を弱くする
     ・歯垢を付きにくくする
     ・酸を中和する
     ・歯垢を歯面からはがれやすくする
     ・歯の脱灰(歯が溶ける)を防ぐ
     ・歯の再石灰化を促進する

  • キシリトール食品の選び方

    キシリトールは濃度が高いほどむし歯予防に効果があるとされていて、歯科医院で販売されているキシリトールガムやタブレットはキシリトール濃度100%のものです。市販のものを購入する場合には、原材料やキシリトールの含有量など、確認してほしい3つのポイントがあります。

     Point!

    ① 口の中にとどまってむし歯予防効果が発揮できる「ガム」「タブレット」であること
    ② 「水あめ」や「砂糖」が含まれていない(糖類0g)キシリトール食品であること
    ③ キシリトールの含有率が50%以上であること

    特定保健用食品マーク

    表示の仕方は商品によってさまざまです。
    店頭でキシリトールの含有量や原材料名をチェックするのはなかなかたいへん、という人は、消費者庁が認可した特定保健用食品のマークがあるものを探すとよいでしょう。


    こっちも気になる!CCP=ACP

    リカルデントガムでおなじみのCPP-ACP(カゼインホスホペプチド・非結晶リン酸カルシウム複合体)はキシリトール同様、むし歯予防効果の高い成分としてよく知られていますが、こちらは甘味料ではなく無味無臭の添加物です。ガムを噛む男の子
    リカルデントガム牛乳を分解して得られる天然由来の成分で、歯の再石灰化に重要な「リン酸カルシウム」が歯に取り込まれやすい状態で高濃度に含まれています。

    ※ 牛乳や乳製品のアレルギーの方は使用できませんのでご注意ください。

  • むし歯予防効果を高める食べ方

    ただ単に「キシリトール入りの食品を食べる」ということだけでは、むし歯予防の効果はあまり期待できません。
    ここでキシリトールの効果的な食べ方をご紹介します。

     Point!

    ① 1日3回以上(5g=約7粒)を目安に、継続的に摂取しましょう
    ② 食後摂取することで、再石灰化を促します
    ③ よく噛んで唾液の分泌を促し、キシリトールを口の中全体にいき渡らせるようにしましょう

    普段からこれらのガムを噛む習慣のある人、むし歯予防効果をさらに高めたい方は、キシリトール含有量100%の歯科専売ガムもありますので、かかりつけの歯科医院でお問い合わせください。

    これでむし歯はできない!ということではありません。
    キシリトールは、毎日の歯みがきをきちんとして、食生活にも気を配り、そのうえで摂取する補助的なものであるということを忘れずに!