2026/06/15号 噛むだけで整う、口・体・心
お口の健康を考える時、お口の中でも、ちょっと地味な主役『噛む』ことに注目してみませんか?
実は”噛む”という動作、口の中だけでなく、全身の健康を支えている大切なふるまいなのです。

日本人が1回の食事で噛む回数は、今から約50年前にくらべて半分以下まで減って、現代人はわずか600回ほどなのだとか。 食の欧米化、ファーストフード、やわらかい食品の増加…理由はさまざまですが、現代人は”噛む機会”を失いつつあります。 噛む回数が減ると、単にあごが弱くなるだけではありません。 消化・脳の働き・ストレス・肥満・老化など、思っているより広い範囲に影響が及びます。

噛むことがもたらすいちばんの贈り物、それは『唾液』です。 私たちの口の中では、1日におよそ500〜1,500mlもの唾液が分泌されているといわれています。大きな水筒1本分の量ですね。 この唾液、実は”天然の万能薬”と呼ばれるほど、多彩な働きをしています。 ★消化を助ける アミラーゼがデンプンを分解し、胃腸の負担を減らす ★細菌をやっつける 抗菌成分(リゾチーム・ラクトフェリンなど)を含む ★むし歯を防ぐ 歯の表面を修復する『再石灰化』のはたらき ★粘膜を守る 口や喉の乾燥を防ぎ、ウイルスの侵入を抑える ★がんを抑える力も 唾液中のペルオキシダーゼが発がん物質を弱める → そして、この唾液をたっぷり出すスイッチこそが、”よく噛むこと”なのです。


□ 食事は10分以内に終わることが多い □ 最近、やわらかい食べ物ばかり食べている □ 食後に胃がもたれることがある □ 食べているときにほとんど噛まずに飲み込んでいる □ 左右どちらか片方でばかり噛んでいる □ 硬いものを噛むとあごが疲れる □ 口が乾きやすい 

●ひと口『30回』を目安に。最初は慣れないので、1品だけでもOK ●食材を少し大きめに切る、歯ごたえのあるものを1品足す ●食事中のテレビやスマホは少し控えめに ●左右両方の歯で、バランスよく噛む ●一汁三菜のように、ゆっくり食べたくなる食卓にする ※ 急に硬いものばかりを増やすと、あごや歯に負担がかかることがあります。徐々に慣らしていきましょう。
